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よくある質問

定期借地権とはどういうものか。(「定期借地権」)
契約で定めた存続期間が満了した時点で借地関係が終了するタイプの借地権の1つである。このタイプには一般型定期借地権、建物譲渡特約付惜地権、事業用借地権があり、この3つを合わせて定期借地権という場合もあるが、借地法にいう定期借地権とは前者のみである(借地借家法22条)。
定期借地権の要件は、   
  ア.借地権の存在期間が50年以上であること   
  イ.契の更新がないこと   
  ウ.建物買取請求をしないこと
の3つを合わせて特約することである。この特約は公正証書等の書面でしなければならない。 存続期間が満了した場合には、取り壊して明渡すことが原則である。また、存続期間中に建物が焼失等により滅失した場合に、建物を再築しても期間は延長されない。 この定期借地権に基づき建てられた建物に借家人が存在する場合、建物の取壊しの時期に合わせて借家関係を終了させる特約を認めている(借地借家法39条)。 もっとも、定期借地権に基づき建てられていることを知らずに建物を借りた借家人は、それを知った時から1年の範囲内で、裁判所に対し、土地の明渡しの猶予を求めることができるとした(借地借家法35条)。
更地はどのように評価するか。(「更地評価」)
更地価格は、比準価格、収益価格および積算価格を関連づけ、かつ、公示価格を規準として評価する。
◎更地とは―――更地とは、宅地(建物の建築が可能である土地)について、建物が存在しない状態における、また、借地権等所有権を制限する権利が設定されていない土地をいう。したがって、耕作されていない農地や樹木のない山林は、宅地ではないので更地とはいわない。また、借地上に建物が存しない場合でもそれは借地権が付着しているので更地とはいわない。
◎更地価格の評価―――更地の鑑定評価は、一般に、取引事例比較法に基づく比準価格、収益還元法に基づく収益価格、ならびに原価法に基づく積算価格を関連づけ、かつ、公示価格もしくは基準地価格を規準として決定する。なお、当該更地の面積が近隣地域の標準的な土地の面積に比べて大きいときは、開発法に基づき求めた試算価格を比較考量して決定することになる。
借家の家賃を改定する場合はどのように評価するか。(「継続家賃の評価」)
継続賃料算定の各手法を適用して求められた各試算賃料を比較考量して評価する。
◎家賃増減請求―――家主あるいは借家人が、家賃の値上げや値下げを請求する権利は、借地借家法32条によって認められてる。どのような場合に、家賃の増減額を請求できるかは同法条に定めがあるが、土地・建物価格の高低、公租公課その他の必要諸経費等の増減、比隣賃料の変動その他経済情勢の変化等により、従前の家賃が不相当となったときに、相当な額まで改定を請求できる。
増減請求した額が借地借家法32条でいう相当な家賃か否かは、各手法の適用により算出された適正な家賃を基準にし、諸般の事情を考慮して最終的には裁判所が「相当な家賃」を決定することとなる。そこで、適正な家賃はどのように算定されるかを次に説明する。
◎継続家賃の評価手法―――適正な継続家賃算定の手法としては、地代と同様に判例・学説、また鑑定評価理論上種々の手法が考え出されている。よく使われる手法としては、利回り法、スライド法、差額配分法、賃貸事例比較法などがあるが、いずれも一長一短あるので、いずれか一つの方式によるのではなく、複数の手法を採用して算出された試算賃料を比較検討して、適正な賃料を定めるのが通常である。それぞれの手法については、継続地代の場合と基本的に同様である。
建物はどのように評価するか。(「建物の評価」)
一般的には、再調達原価を求め、これを減価修正して評価する。
◎建物とは―――建物とは、一般に、屋根および周壁、またはこれに類するものを有し、住居、店舗、工場等その目的とする用途に供することができる状態にある土地上の建造物をいう。建築中の建物がどの程度に達したときに独立の不動産となるかは、物理的構造のみを標準とすべきでなく、建物取引または建物利用の目的から、社会観念上独立した建物としての効用を有すると認めることができるか否かにより決せられる。 建物は、その敷地と結合して有機的に効用を発揮するものであり、建物と敷地は密接に関連しており、通常、両者は一体として鑑定評価の対象となるが、地主が借地契約解除後借地人の建物を買い取る場合など、建物自体を評価する場合もある。
◎建物価格の評価―――「基準」は、建物の評価について、(1)建物およびその敷地が一体として市場性を有する場合と、(2)建物およびその敷地が一体として市場性を有しない場合(例えば、歴史的建築物、寺院などの宗教建築物)に分け、前者については、積算価格、配分法に基づく比準価格および建物残余法による収益価格を関連づけて評価するものとし、後者については、積算価格を標準として評価するものとしている。 一般的には、建物の建築に要する費用に着目し、再調達原価(価格時点において建物を新築する場合に要する建築費用)を建物建築後の経過年数等により減価修正して積算価格を求める原価法が多く採用されている。